★AMFI Newsletter(2017年9月号,2/2017)【主要記事】
◆◆目次◆◆
〇研究開発
海水を燃料にする方法
水と太陽光からの水素製造
新しいバイオ燃料原料アビシニアガラシ(アブラナ属)
〇実証事業/プロジェクト/市場動向に関する情報
英国のメタン燃料大型トラックプロジェクト
スウェーデンのスカニア社がノルウェーに140台のバイオディーゼルバスを納入
〇政策/規則/指令/基準に関する情報
中国、2020年のエタノール使用目標を設定
イランがユーロ5対応車両を要請
乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法
バイオエネルギーに関する事実
〇スポットライトアジア
欧州議会のパーム油規制決議
インドネシアのバイオディーゼルに対する米国の反ダンピング
第4回JASTIP(Japan-ASEAN Science, Technology and Innovation Platform:日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点−持続可能開発研究の推進)シンポジウム
〇スポットライト
再生可能なジェット燃料生産によるGHG排出量
燃料電池で飛行する
〇スポットライト電気自動車
キャンペーンEV 30 @ 30
〇IEA&IEA-AMFニュース
AMF年次報告
その他のAMF出版物
IEA報告書:トラックの未来
現行のAMF付属書類/プロジェクト
次回執行委員会会議
〇出版物
世界のエネルギー収支2017
リニューアル情報2017
エネルギー技術の展望2017
ICCT(The International Council on Clean Transportation:国際クリーン交通委員会)報告書:廃棄物は望ましくない
持続可能な開発のためのバイオエネルギー
IRENA(International Renewable Energy Agency:国際再生可能エネルギー機関)技術概要:道路車両用バイオガス
EUバイオ燃料影響評価
海洋及び内陸水路のための代替燃料
NGVAヨーロッパ研究
供給レポート2016/2017
〇イベント
出典:
http://www.iea-amf.org/(英語ページ)
◆◆実証事業/プロジェクト/市場動向に関する情報◆◆
スウェーデンのスカニア社がノルウェーに140台のバイオディーゼルバスを納入
スカニア社は、ノルウェーに140台のバスを納入する予定で、そのすべてがバイオディーゼルで稼働し、そのうち70台はハイブリッド技術を搭載しています。 これらのバスは、ノルウェーの首都オスロの南西にあるクリスチャンサンの公共交通機関に使用されます。
納入されるのは、スカニアシティワイドLE(Scania Citywide LE)郊外ハイブリッド型車と、スカニアシティワイドLE(Scania Citywide LE)郊外型車、及びスカニアハイアー(Scania Higer) A30型車の各バスが含まれており、 スカニア社の修理及び保守プログラムであるフリートケア(Fleet Care)という7年間の契約が含まれています。
スカニア社にとって最大のハイブリッドバスの受注であるだけでなく、スカニア社のノルウェー子会社であるノースクスカニア社(Norsk Scania社)にとっても最大のバス受注です。
スカニア社のバイオディーゼルバス
出典:
Biofuels International(英語ページ)
◆◆政策/規則/指令/基準に関する情報◆◆
イランがユーロ5対応車両を要請
イランの環境省の首脳から2019年3月以降は、排出ガス規制ユーロ5が施行されることになると発表されました。イスラム共和国通信によると「政府は2014‐15年に施行された排出ガス規制ユーロ4は、ユーロ5が施行される2019‐20年まで継続する」とマスメ・エブテカール(Massoumeh Ebtekar)氏から発表されました。
大気汚染の削減計画に沿って、排出ガス基準ユーロ4の燃料は15の大都市と10の省都に供給されています。政府は2020年までに全国に供給することを目標としています。ガソリンの品質を向上させる努力とともに、ハッサン・ルルハニ大統領は自動車メーカーにユーロ4排出基準に適合した製品を作るよう指示しています。
政府は2016年9月から高汚染であるキャブレター付きのオートバイの生産を禁止し、人々に環境にやさしい電動バイクを選ぶよう促しています。イランは、大気汚染による年間死亡者数が2万6000人で、WHOの発表によると、大気汚染に関連した死者数で16位にランクされています。
出典:
https://financialtribune.com/(英語ページ)
乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法
2017年9月1日から、ヨーロッパ市場で販売されるすべてのモデルに、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP :Worldwide Harmonized Light Vehicle Test Procedure)と呼ばれる、車の排出ガスを測定する新しい実験室内試験方法が正式に適用されます。2018年9月からは、EU全体で販売されるすべての新車に実験室試験が拡張されます。WLTPの実験室内試験は、乗用車からの燃料消費とCO2排出量、及びその汚染物質排出量を測定するために行われます。
道路上の汚染物質排出量を測定するための追加テスト(実際の走行排出量、「実路認証(RDE :Real Driving Emissions)」テスト)も適用されます。 RDEでは、幅広い条件で公道を走行します。 RDEはWLTPを補完して、検査結果が確実に確認されるようにします。「新たな排出ガス規制に適合したディーゼル車は、実験室や道路で汚染物質の排出が抑制されていることがわかるでしょう。この最新世代のディーゼル車の導入は、EUの都市における大気質目標を達成するうえで大きな役割を果たすと考えています」とエリック・ヨナールト(Erik Jonnaert)欧州自動車 工業会(ACEA:European Automobile Manufacturers' Association)事務局長は述べています。
EUにおける乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法の実施HP
出典:
ACEA Press Release、31 August、2017;新しいWLTP排出テストに関する詳細情報(英語ページ)
◆◆スポットライト電気自動車◆◆
キャンペーンEV 30 @ 30
クリーンエネルギー閣僚会議(CEM:Clean Energy Ministerial)は、電気自動車の展開をスピードアップし、2030年までに電気自動車販売台数を少なくとも30%とすることを目標とするEV 30 @ 30というキャンペーンを発表しました。キャンペーンは、電気乗用車、軽商業バン、バス及びトラック (バッテリー式、プラグインハイブリッド式、及び燃料電池車型を含む)市場を支援します。 また、普及した車両に十分な電力を供給するための充電設備の普及に向けても活動します。
EV30 @ 30キャンペーンを支援する政府には、カナダ、中国、フィンランド、フランス、インド、日本、メキシコ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンが含まれます。
2030年までに電気自動車の販売目標30%を目指すCEMキャンペーン(2017年6月26日月曜日)
出典:
クリーンエネルギー閣僚会議、2017年6月(英語ページ)
◆◆IEA&IEA-AMFニュース◆◆
IEA報告書:トラックの未来
理事会において、国際エネルギー機関(IEA)の持続可能な開発、技術、及び展望について取りまとめられた報告書が作成されました。重要な報告結果は以下のとおりです。
- ●道路貨物輸送手段は、世界経済活動の鍵となるものであり、すべての種類の資材や商品を、その生産地点から、それらを使用する工場や産業、または最終的な販売地点に運搬するために不可欠な役割を果たしています。
- ●道路貨物車両の石油需要は、世界の石油需要の約1/5を占めている日量約1,700万バレル(mb/d)で、これは現在の米国とカナダを合わせた石油生産量に相当します。
- ●政策的努力がなければ、道路貨物車両からの石油需要は2050年まで500万バレル(mb/d)上昇することになるでしょう。
- ●道路貨物車両からの将来の石油需要の増加を抑えることは難しいと想定されますが、3つの分野(全体的な改善、車両効率技術及び自律的なトラックを含む別の方法)から取組むことで解決できるかもしれません。
- ●現代トラックシナリオでは、道路貨物輸送の近代化を目標とする努力により、道路貨物車両からの石油需要は2050年までに日量約1,600万バレル分減少するでしょう。
- ●現在のトラックシナリオでは、すべての対策が実施されるわけではありませんが、短期的に実施できそうな3つのエネルギー政策があります。
トラックの未来(IEA報告書)
出典:
https://www.iea.org/(英語ページ)