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世界の自動車用代替燃料

LEVOは、日本政府指定機関として参加している国際エネルギー機関(IEA)の自動車用先進燃料技術連携プログラム(AMF-TCP)で得られた情報等を出来るだけ早く皆様に提供しています。世界の自動車用代替燃料に関して、近年の状況はメールマガジンに提供していますのでご覧ください。 < メールマガジン 最新号
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2002年版

◆ 米国でバイオ燃料の利用が拡大中

 国際エネルギー機関(IEA)のバイオエネルギー実施協定*の米国代表レイモンド・コステロ氏によると、米国ではバイオ燃料**の利用が拡大している。自動車燃料として消費されるエタノールは、2002年には約75億リッターにのぼると推定されているが、これは自動車用ガソリン消費量全体の約2%に相当する。
 今日、大部分のエタノールは穀物から生産されているが、リグノセールロース(木質系バイオマス)系の穀物を利用すれば低コストでエタノールを生産できる可能性がある。米国エネルギー省(DOE)は、リグノセルロースからエタノールを生産するための研究を実施しており、国立再生エネルギー研究所において試験施設を稼動させている。米国では、1996年にはほぼゼロだったバイオディーゼルの消費量が、2002年には2,500万リッターになると予測されている。

* 再生可能エネルギー技術に関する作業部会の下にある実施協定。目的は、エネルギー需要対策で多大な貢献をするため、環境に優しくコスト面でも(他の燃料に)競合できる、持続可能なバイオエネルギーの利用を実現すること、である。
** 地球の生態系における物質循環に組み込まれているすべての生物有機体を「バイオマス」というが、一般的には、木材や廃材、生ごみ、家畜の糞尿などの有機系廃棄物までを総称として使われている。これらバイオマスを燃料として利用するものが「バイオ燃料」である。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" January 2002 Volume 5, Number 1 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdatejan2002.pdf

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◆ EC、一定割合のバイオ燃料の使用を義務づけへ

 欧州委員会(EC)は、バイオ燃料の導入のための規制措置や財務措置をはじめとする、運輸部門における代替燃料の利用を促進するための行動計画、及び欧州令案を採択した。
 行動計画は、2020年までに運輸部門において消費されるディーゼル燃料及びガソリンの20%を代替燃料に置きかえることを目標としており、なかでも、今後20年間で運輸部門の燃料全体の5%以上を単独で占めることができる選択肢は、すでに実用化されているバイオ燃料、天然ガス、水素の3種類のみと見込まれるので、これらの燃料の積極的な普及促進を実施すべき、としている。
 また、提案されている欧州令は、欧州で販売される燃料の一定割合はバイオ燃料でなければならないとするもので、この割合は2005年に2%から始まり、徐々に引き上げられて2010年には5.75%とすることが計画されている。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" January 2002 Volume 5, Number 1 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdatejan2002.pdf

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◆ バイオガスからバイオディーゼルを生産する技術を開発
  〜エネルギー研究所(オランダ)〜

 オランダのエネルギー研究所(ECN)とシェル・グローバル・ソルーションズ・インターナショナルは、初めて、バイオガスからバイオディーゼルを生産する技術のデモンストレーションを行った。
 ヤナギの木材チップをガス化し、浄化すると炭化水素の混合物ができる(フィッシャー・トロプシュ法を利用)。この混合物を接触分解して製造した軽油(バイオディーゼル)は、乗用車またはトラックの燃料として利用することができる。2001年12月に初めてこの「グリーン」な軽油の生産に成功したという。現在、バイオディーゼルの価格は通常の軽油の2〜3倍だが、ECNは、長期的に、転換プロセスが最適化され、特に、欧州でバイオディーゼルに対する減税措置が実施されれば、バイオディーゼルの価格も(通常の軽油と)競合できるほどになる、とみている。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" January 2002 Volume 5, Number 1 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdatejan2002.pdf

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◆ 欧州環境評議会、低硫黄ガソリン・軽油の導入義務付けで合意

 欧州連合(EU)環境評議会は、すべての加盟国で、2005年以降、硫黄含有量の少ないガソリン及び軽油を導入する提案に合意した。まず2005年より、加盟国は低硫黄ガソリン、低硫黄軽油の導入を開始することを義務付けられる。2009年からは、硫黄含有量10ppm(mg/kg)未満のガソリンと軽油の使用が義務となる(現在のところ、硫黄含有量の上限は50ppmに設定されている)。
 欧州委員会は2002年に、加盟国における低硫黄燃料の導入状況を評価し、トラクターやオフロード車等を本規制の対象にするかどうかを決定する。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" January 2002 Volume 5, Number 1 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdatejan2002.pdf

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◆ 米国エネルギー省、フリーダム・カー計画を開始

 米国エネルギー省は、燃料電池自動車の実用化に向けた、政府と産業界の新しい自動車研究協力プログラム「フリーダム・カー」計画を発表した。本計画の長期的な目標は、輸入石油に依存せず、有害物質や温室効果ガスの排出量がゼロである水素燃料電池自動車の技術開発を行うことである。フリーダム・カー計画では、適切な価格の水素燃料電池自動車を大量生産する技術開発と水素供給インフラの整備に焦点があてられる。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" April 2002 Volume 5, Number 2 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdateapril2002.pdf

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◆ 欧州9都市、水素燃料電池バスを導入へ

 ECは、約22億円のクリーン・アーバン・トランスポート(CUTE)プロジェクトを承認した。このプロジェクトは、欧州9つの都市(アムステルダム、バルセロナ、ハンブルク、ロンドン、ルクセンブルク、マドリッド、ポルト、ストックホルム、シュツットガルト)の公共輸送機関に水素燃料電池バスを導入するもので、2003年には27台の燃料電池バスが納入される予定である。燃料の水素の生産・供給は、都市ごとに実施するが、これら水素燃料の40%は再生可能な資源から生産される。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" April 2002 Volume 5, Number 2 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdateapril2002.pdf

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◆ 燃料需要、2020年までに57%増加の見通し 〜IEA〜

 国際エネルギー機関(IEA)のロバート・プリドル事務局長は、報告書「解決を目指して:エネルギー部門における持続可能な開発」(2002年5月28日)の発表に際して、「我々が大きな変化を遂げなければ、持続可能なエネルギーの軌道には乗れない」と述べた。
 IEAは、今後20年間で主に化石燃料ベースのエネルギー需要は57%増加すると推定され、地球環境を相当圧迫する、と指摘している。各国が一層の対策を講じるべきものとして、巨大な投資需要、運輸部門のあくなき需要による問題の深刻化、再生可能エネルギー技術の普及障壁等、を挙げている。
 この10年間、人々はエネルギーの大部分を化石燃料に依存しており、エネルギー消費に関してほとんど進展がみられない。世界のエネルギー供給に占める再生可能なエネルギーの割合は1%であるが、化石燃料は85%となっている。

[ 世界の石油事情 ]
 この報告書において、IEAは、持続可能な開発の原則をいかにエネルギー部門に適用するかを示し、持続可能な運輸を含む八つの分野について検討している。2020年までに、運輸部門の石油需要は世界全体の半分以上を占め、運輸部門の二酸化炭素(CO2)排出量が、エネルギー関連に起因する世界のCO2排出量全体の約3分の1にのぼり、結果として、地域大気汚染が悪化すると見込まれる。運輸部門のエネルギー消費量の伸びは他の最終用途部門を凌ぐ速さであり、OECD非加盟国のエネルギー需要の伸びはOECD加盟国の3倍になるものの、OECD加盟国の運輸部門のエネルギー消費量が引き続き世界最大の割合を占める。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" Sept. 2002 Volume 5, Number 3 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdatesept2002.pdf

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◆ オランダのLPG自動車は減少傾向に

 オランダでは、LPG乗用車の普及台数が減少している。1991年には58万4,000台であった普及台数が、2001年には32万3,000台に減っている。一方、同期間に、ディーゼル自動車の普及台数が32万3,000台増加している。ディーゼル自動車は、運転性が良いことから人気が高まっている。ディーゼル自動車とは異なり、LPG自動車はマイナスのイメージを払拭することができない。LPG自動車は依然としてエンジン性能が良くないという誤解がある。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" Sept. 2002 Volume 5, Number 3 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdatesept2002.pdf

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◆ オランダ、バイオ燃料試験工場の建設を計画

 オランダでは、北部に予定しているバイオ燃料の試験工場の建設計画がほぼ完了する。
 欧州委員会は、2020年には、燃料の20%をバイオ燃料に置き換えることを目標としている。また、欧州議会は、バイオディーゼルへの課税を控える提案をしている。

IEA AMF AFIS "Fuels Update" Sept. 2002 Volume 5, Number 3 より抄訳
http://www.iea-amf.vtt.fi/news/fuelsupdatesept2002.pdf

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