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世界の自動車用代替燃料

一般財団法人環境優良車普及機構が政府指定機関として参加している、「国際エネルギー機関 自動車用先進燃料研究開発実施協定(IEA AMF)」の活動成果の一つとして発行されているニュースレターや様々なニュースソースからの世界の自動車用代替燃料に関するトピックスを紹介します。

2006年版

◆ 2005年の欧州バイオ燃料普及状況

 2005年にEU25ヶ国で生産されたバイオ燃料は、前年比65.8%増の390万トンであった。ドイツ、フランス、スペインなど従来からバイオ燃料普及に積極的な国を中心に生産量が大幅に拡大し、過去にバイオ燃料が全く普及していなかった国でも、普及支援政策により新たに製造施設が稼動するなど、EUレベルでのバイオ燃料の本格的な普及に向けた準備が進みつつある。
 バイオディーゼルの生産量は、バイオ燃料全体の81.5%を占める318万トンで、前年比で125万トン(64.7%)増加した。2000年からの平均年間増加率は28.2%で、2006年の生産能力は607万トンと見積もられる(2005年比43.5%増)。
 一方、バイオエタノールの生産量はバイオ燃料全体の18.5%を占める72万トンで、前年比70.5%の増加である。これは、2000年からの平均年間増加率28.2%と比較して非常に大きな増加率であるが、この要因として、ワインアルコールの燃料用バイオエタノールへの転換が挙げられる。

EU25ヶ国のバイオ燃料生産量の推移
EU25ヶ国のバイオ燃料生産量の推移

[ ドイツ ]
 2005年もEU最大のバイオディーゼル生産国となり、前年比61.3%増の167万トンを生産し、EU総生産量の52.4%をドイツ一国で生産していることになる。この成果はバイオ燃料に対する現行の優遇税制によるものだが、急速なバイオ燃料市場の拡大に伴う財政負担の問題などから、2006年8月1日以降はバイオディーゼルへの一部課税を開始し、バイオ燃料への控除幅が縮小されている。バイオエタノールは前年比6倍の12万トンとなった。

[ フランス ]
 バイオディーゼルの生産量は2001年以降減少していたが2005年には回復し、前年比41.1%増の49万トンであった。フランスは、EUバイオ燃料指令における目標値(運輸部門でのバイオ燃料のシェアを2010年までに5.75%とする)を2年前倒しで達成し、2015年までに10%まで引き上げるという目標を掲げたバイオ燃料普及計画を発表している。税制面での施策では、2006年にTIPP(石油製品内国税)の減税策が改訂され、バイオ燃料に対する減税額がバイオディーゼル、バイオエタノールともにやや縮小されている。また、所定のバイオ燃料シェア目標に達しない燃料供給事業者に対して課せられる TGAP(環境総合税)が変更となり、2006年の1.75%から2010年の7%まで、毎年段階的に引き上げられることになる。

[ イタリア ]
 税優遇対象となるバイオディーゼルの生産割当量が30万トンから20万トンに縮小されたものの、割当量を超過する分は輸出しているため総生産量への影響はなく、2005 年の生産量は前年比8万トン増の40万トンであった。政府は2005 年末に、2006 年の認可量20 万トンに対する生産割当の入札を開始することを決定した。

[ 今後の見通し ]
 EUにおけるバイオ燃料の重要性はますます大きくなっている。ドイツやスペイン、スウェーデンでは全額免税、フランスと英国では部分免税が施行されており、ポーランドでもまもなく全額免税が採択される見通しである。またバイオディーゼル、バイオエタノールとも生産能力に余裕があり、急速な増産の潜在性がある。バイオ燃料の普及により、低迷していた農業部門に新たな販路と雇用が創出されるため、状況は農業大国ほど有利であると思われる。農業部門へのメリットは、バイオ燃料普及施策として行われる税優遇により生じる税収低下を、部分的にではあるが補うことにもなる。
 バイオ燃料の普及政策としては今後も税制優遇などの方策が考えられるが、燃料関連税は加盟国の税収の重要な部分を占めていたため、加盟国の中にはEUバイオ燃料指令における義務を遂行するのに必要な投資を遅らせる国も出てくると考えられる。その結果、多くの国が2010年のバイオ燃料シェア目標に到達できなくなるおそれがある。
 欧州委員会によると、目標達成に必要なバイオ燃料の生産量は石油換算で1,800万トンであるのに対し、現状から予測される2010年のバイオ燃料生産量は9,900万トンである。ただしこの数字は、加盟各国が免税政策などにより積極的に取り組むことで上方修正される可能性もある。
 欧州委員会は、加盟各国の期待やニーズに対応する明確なガイドラインを示すため、バイオ燃料指令の改正の可能性を検討している。

EurObserv’ER "BIOFUELS BALOMETER - May 2006" より抄訳
http://www.energies-renouvelables.org/observ-er/stat_baro/observ/baro173b.pdf

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◆ オランダ 〜バイオ燃料の市場流通を義務づけ〜

 オランダ国内法の「運輸バイオ燃料法2007(Transport Biofuels Act 2007)」により、オランダ国内のガソリンおよび軽油販売業者は、2007年1月1日からエネルギーベースで取引高の2%をバイオ燃料とすることが定められた。
 この内容は、バイオ燃料の化石資源由来燃料への混合率ではなく、市場での自動車燃料総使用量を規定したもの。この規定により、ガソリンおよび軽油の物品税品倉庫業者は、定められた割合のバイオ燃料を確実に市場に流通させるべく努力しなければならない。
 オランダ国内のバイオ燃料の市場シェアは、EUバイオ燃料指令2003/30/EGで規定されている、2010年の最終目標である5.75%を目指して着実に拡大している。目標の第1段階である2007年には2%、第2段階の2010年には3.5%に達する見込みである。
 オランダは、バイオ自動車燃料あるいは再生可能な自動車燃料の使用促進を加盟国に義務付けたEUバイオ燃料指令2003/30/EGに準じ、生物由来燃料の市場シェアを義務づける新法を公布する西ヨーロッパ最初の国となる。
 ドイツでも同様の法律がまもなく発効予定で、2006年10月末に政府により承認された「バイオ燃料割当法」が2007年1月1日に発効する予定である。イギリスでも類似の法律を準備中で、2008年4月に発効の予定である。

GAVE News Nov.9, 2006 "Publication of compulsory 2% biofuels" より抄訳
http://gave.novem.nl/novem_new/index.asp?id=25&detail=1194

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◆ 中国 〜トウモロコシ価格高騰と需給バランス逼迫〜

 中国政府は、2006年11月度に5%急騰したトウモロコシ価格を抑えるため、トウモロコシを原材料とするエタノール産業の拡大を当面停止させると発表し、産業界の動揺を招いている。政府はまた、バイオエタノールの需要が国際的に増加しているため、需給バランスを保つためのトウモロコシの輸出規制も開始した。
 中国国家発展改革委員会(NDRC)は、トウモロコシを産業用エタノールに加工するための新規プロジェクトの承認をやめ、より効率的な生産を行うために、セルロース系等、非穀物由来エタノール等のバイオ燃料生産を地方自治体に命じた。
 昨年、国内のトウモロコシ生産高が2001年比で21.9%の増加率であったのに対し、産業用目的でのトウモロコシ加工量は同年比84%という高い増加率となっている。 産業界の需要と家畜飼料用トウモロコシの需要が増大する一方で、高値を期待したトウモロコシ生産者が売り渋りをしたことが、今年のトウモロコシ価格を6.8%押し上げる結果となった。過度のトウモロコシの生産拡大は、小麦や米といった他の穀物の生産を圧迫すると危惧されている。
 中国は米国に次いで世界第三位のトウモロコシ生産国で、畜産用飼料としての需要が高い。また今やブラジル、米国に次ぐ世界第三の燃料用エタノール生産国になっている。

Green Car Congress Dec. 20, 2006 "Chhina halts expansion of corn ethanol industry; focus on biomass feedstocks" より抄訳
http://www.greencarcongress.com/2006/12/china_halts_exp.html

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