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世界の自動車用代替燃料

一般財団法人環境優良車普及機構が政府指定機関として参加している、「国際エネルギー機関 自動車用先進燃料研究開発実施協定(IEA AMF)」の活動成果の一つとして発行されているニュースレターや様々なニュースソースからの世界の自動車用代替燃料に関するトピックスを紹介します。

2007年版

◆ 世界のエネルギー将来予測
 〜バイオ燃料と石炭液化燃料(CTL)への生産シフト〜

 米国エネルギー省(DOE)エネルギー情報局(EIA)は、2007年発表予定の「2007年エネルギー年次見通し(AEO2007)」のうち、将来予測の一部を12月5日に先行発表した。この中で、バイオ燃料(バイオエタノールおよびバイオディーゼル)の消費増大、石炭液化燃料(CTL)製造量の拡大等が予測されている。
 世界のバイオエタノール消費量は2005年の1,510万klから2030年には 5,510万klに増加し、ガソリンに混合される量は2030年には5,440万klになると見込まれる。バイオエタノールは主にトウモロコシとセルロース系原料から生産されるが、セルロース系原料由来分は110万klのみで、大部分はトウモロコシが原材料となると推測される。2012年のエタノール消費量は「2005年エネルギー政策法 (EPACT 2005)」の一部として発効した、輸送用燃料における再生可能燃料利用の最低要求事項である再生可能燃料基準(Renewable Fuel Standard)が規定する、2,380万klを大きく超えると予想される。
 一方、バイオディーゼルの消費量は2030年に1,510万klに達し、また石炭液化燃料(CTL)は2030年に2,150万klに達すると見込まれている。
 また、従来のガソリン自動車と異なる自動車技術が市場に浸透するとして予測している。ガソリンとE85(エタノール85%混合燃料)を使用するフレキシブル燃料自動車やハイブリッド車は、2030年の新車販売台数がそれぞれ200万台に達し、ディーゼル車の120万台を大きく超える。電気自動車、燃料電池自動車等を含めた代替燃料自動車の2030年の新車販売台数は、2005年の8%から大きく上昇し、約28%となることが予想されている。

【参考】平成17年 日本国内自動車用ガソリン生産量: 5,840万kl
EIA "Annual Energy Outlook 2007 (Early Release)" より抄訳

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◆ 2020年までに輸送用バイオ燃料比率を10%に 〜欧州委員会〜

 欧州委員会は、2020年までに輸送用燃料の最低10%をバイオ燃料にしなければならないとする新基準を提案した。しかし新基準には、持続可能な手法で充分な量のバイオ燃料生産が可能な場合に適用する等、基準の強制的な色合いを薄める様々な条件が同時に設けられており、加盟各国はそれらを理由に10%の数字の拘束からの抜け道を探っている。
 この2020年を目標とした提案は欧州連合全体への適用であり、各国の法制度への適用はこれからという段階である。そのため、今後、輸送用バイオ燃料比率10%以上の目標を掲げる国が現れる一方で、より低率を目標とする国の出現も予想される。しかし各国とも、CO2削減への関与については賛同している。
 2007年2月に開催された欧州環境相理事会では、加盟国のCO2排出量を2020年までに1990年比で20%削減するとした政策案が承認され、バイオ燃料比率10%への増加と同様、欧州連合の総意となった。今後は各国の事情にもとづいた駆け引きが予想される。
 なお「他の先進国が相応の温暖化ガス排出削減を行う」という条件付きで、2020年までの削減目標を30%に高める可能性についても示唆している。

GAVE News Feb.19, 2007 "EU Ministers approve 10% biofuels in 2020, under certain conditions" より抄訳
http://gave.novem.nl/novem_new/index.asp?id=25&detail=1341

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◆ バイオディーゼルへの増税開始で売り上げ急減見込み 〜ドイツ〜

 ドイツ連邦議会決定によるバイオディーゼルへの昨年8月からの課税開始に伴い、今年のドイツにおけるバイオディーゼル生産量は需要の急激な落ち込みが影響し、前年度比30〜40%程度の減少が見込まれている。世界各国でCO2削減が叫ばれているこの時代にバイオディーゼル生産の気運に冷や水を浴びせる重大な出来事だと、同国のバイオディーゼル生産業界関係者からは課税決定当初から非難の声が挙がっている。
 ドイツは2006年の生産量が320万トンと、欧州各国のうち最もバイオディーゼル生産量が多く、化石燃料への課税がリッターあたり45セントであるのに対しバイオディーゼルへの課税は免除されていた。この税率の差により多くの国民が化石燃料からバイオディーゼルに転換したため、政府の税収入の落ち込みにつながったのである。これを危惧した政府は、バイオディーゼルに対してもリッターあたり9セントの課税を開始することを決定した。2008年〜2011年までの間は毎年6セントずつ増税され、2012年には45セントになる予定とされている。

GAVE News Feb.23, 2007 "Less biodiesel sold in Germany after introduction of taxes" より抄訳
http://gave.novem.nl/novem_new/index.asp?id=25&detail=1365

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◆ 米国の「不公正」なバイオ燃料輸出に対抗
 〜欧州のバイオディーゼル生産者業界〜

 欧州バイオディーゼル議会(EBB)参加各国のバイオディーゼル生産者は欧州委員会に対し、アメリカ合衆国による政府奨励金付きのバイオディーゼルの欧州への輸出に関する関税適用を要求する声明書を提出した。
 アメリカではバイオディーゼル普及を目的に、2004年からいわゆるバイオディーゼル混合石油燃料に対する奨励金制度を開始し、最大でリッターあたり20セントを補助している。しかしEBBでは、バイオディーゼル99.9%、つまりほんの数滴の鉱物油でも混合していればこの奨励金を受け取れることができ、「混合」とは言えないバイオディーゼルが奨励金を受け、ニートのバイオディーゼルとして欧州各国に輸出されているとしている。
 2007年1月の1ヶ月でこの種のバイオディーゼル約3万トン※が欧州各国に輸出され、2007年末時点の輸出総量は50万トンを超えると予測、欧州域内の生産者はダンピングによる安価な米国産バイオディーゼルとの競争を余儀なくされており、不公正なバイオ燃料輸出は世界貿易機関(WTO)の規定に抵触するとしている。

※EBB参考値:欧州域内の2006年におけるバイオディーゼル総生産量は約450万トン
GAVE News Mar.22, 2007 "European biodiesel manufacturers against unfair competition from USA and Argentina" より抄訳
http://gave.novem.nl/novem_new/index.asp?id=25&detail=1424

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◆ 輸送用非化石燃料資源のすすめ 〜中国科学院〜

 中国科学院(CAS)は、化石燃料に代替するエネルギー資源に関し、中国の中長期開発戦略報告書を発表した。
 2020〜2050年の中国及び世界における石油資源の需要、供給可能性、生産に関する将来動向評価を行い、国内の豊富な石炭及び天然ガス資源の輸送用燃料への活用は技術的に有望で、化石燃料の価格が高止まりした場合の価格競争力も充分見込めるとしている。
 報告書はさらに、高効率で様々なエネルギー資源活用が可能な新しいパワートレインシステムの採用を促進することや、ゼロエミッション及び電力駆動を優先課題とし、燃料電池及びリチウムイオン電池等の高効率・低価格なシステム研究開発の必要性があるとしている。
 電気自動車及び燃料電池自動車の普及と早期大量生産化への道筋は、電力供給方法と車両への水素燃料搭載がカギとなり、これらのシステムの短い耐用年数、高い製造コスト、低い信頼性と性能といった技術的ボトルネックを取り除くための資源の蓄積が必要であるとしている。その間、燃料電池やリチウムイオン電池開発を促進させるため、水素燃料ステーションや電気ステーションといった基礎的インフラにおいて、実行可能性調査と大規模な実証試験を実施すべきであるとしている。

Green Car Congress Mar.6, 2007 "Chinese Academy of Sciences Makes Recommendations for Non-Petroleum Energy Sources; Focus on Electric Transportation and Substitute Fuels" より抄訳
http://www.greencarcongress.com/2007/03/chinese_academy.html

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◆ 2006年の欧州バイオ燃料消費状況

 2006年にEU加盟25ヶ国で消費された輸送用バイオ燃料は、前年の299万トンから約80%増の538万トンとなった。これは全加盟国の運輸部門で消費される燃料全体の1.8%を占め、前年のシェア1%から大きく増加した。
 このうちバイオディーゼルは全体の71.6%を占める385万トンとなり、前年に比べ71.4%増加した。一方、バイオエタノールは全体の16.3%を占める88万トンで、前年に比べ57.5%増加した。
 また、ベジタブルオイル(総消費量63万トン:主にドイツ、アイルランド、オランダで消費)及びバイオガス(同1万トン:主にスウェーデンで消費)等、その他のバイオ燃料の消費量は全体の12.1%を占める合計65万トンで、1年間で3.4倍の急増となった。

表 主なEU加盟国の2006年におけるバイオ燃料消費量

*上段:消費量/単位=TOE(発熱量を原油換算して示した量、原油換算トン)
*中段:各国消費量の種類別内訳、ただしベジタブルオイル等「その他のバイオ燃料」を省略しているため、合計は100%とならない。/単位=%
*下段:対前年比/単位=%

※訳者注: 2005年度の日本の運輸部門におけるガソリン消費量は4,980万TOE、軽油は2,871万TOE (資源エネルギー庁 『平成17年度エネルギー需給実績』 より計算)。

[ ドイツ ]
 前年に続き2006年もEU最大のバイオ燃料消費国で前年比79.2%増の334万トンを消費、EU総消費量の62.2%をドイツ一国で消費したことになる。またドイツ全体で消費するすべての燃料のうち、バイオ燃料がエネルギー換算で6%を占め、全EU加盟国の中で最も高い比率である。
 バイオ燃料のうちバイオディーゼルは前年比55.6%増の241万トン、バイオエタノールは前年比2.1倍の31万トン、その他のバイオ燃料は前年比3.6倍の63万トンで、これは主にベジタブルオイルである。

[ フランス ]
 ドイツに続くバイオ燃料消費国で、前年比62.7%増の68万トンとなった。バイオディーゼルは前年比54.5%増の53万トン、バイオエタノールは前年比2倍の15万トンで、バイオ燃料消費量全体に占めるバイオディーゼルの割合が78.0%と高くなっている。
 フランスのバイオ燃料消費量の増加は、バイオ燃料産業界を活性化しようという国の強い政治意志によるところが大きく、バイオ燃料への税制優遇や燃料供給事業者への環境税等の施策が奏功している。

[ EUバイオ燃料指令の目標は達成可能か ]
 2010年末時点で全燃料消費量に対するバイオ燃料の占有率を5.75%とするEU指令の達成可否は、ひとえに各国の政治的意志の強さにかかっている。
 バイオ燃料への税制優遇は既にEU加盟各国で実施されており、燃料供給事業者に対するバイオ燃料の市場導入義務等、新しい制限内容の措置も導入されつつあるが、各国の足並みは完全には揃っていない。大多数の加盟国がバイオ燃料導入の体制を整備し、EU指令は2005年時点の占有目標率を2%としたものの、実際には1%と低い水準で、欧州委員会の予測では、2010年時点での占有率は目標を大きく下回る4.2%となる見込みである。

[ 今後のバイオ燃料導入促進のために ]
 今後のバイオ燃料導入促進のためには、「バイオ燃料総合指令」とでも言うべき指令が欧州理事会と欧州議会の双方で批准されるのを待たなければならない。それまでの手だてとして欧州委員会は、現在、バイオ燃料のための特別な市場導入ルートやラベリング制度無しでも10%のバイオ燃料混合が実現できるよう、燃料品質に関する現存指令の改訂を提案している。またすべての自動車がバイオ燃料を10%混合した燃料を使用できるような、自動車産業界の体制整備が必要で、そのためには欧州標準化委員会による燃料品質基準の改定を行う必要もある。
 また、国際的な法的枠組みの整備も欠かせないものであり、地球全体の環境を考慮に入れた国際的な市場の確立が重要である。無秩序なバイオ燃料輸入を制限し、EU加盟国以外の国におけるバイオ燃料の原料生産に関して持続可能な環境を確保し、環境や農作物生産への悪影響を排除することを念頭におかなければならない。

EurObserv’ER "BIOFUELS BALOMETER - May 2007" より抄訳
http://www.energies-renouvelables.org/observ-er/stat_baro/observ/baro179_b.pdf

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