Homeライブラリ世界の自動車用代替燃料2009年度

世界の自動車用代替燃料

一般財団法人環境優良車普及機構が政府指定機関として参加している、「国際エネルギー機関 自動車用先進燃料研究開発実施協定(IEA AMF)」の活動成果の一つとして発行されているニュースレターや様々なニュースソースからの世界の自動車用代替燃料に関するトピックスを紹介します。

2009年版

◆ 原油価格急落を機にバイオ燃料生産者に政府補助金支給へ 〜 インドネシア 〜

 インドネシア政府は代替エネルギーの普及促進のため、2009年度からバイオ燃料への補助金を支給する計画である。政府は動き出したばかりのバイオ燃料産業の支援を目的として、今年度からその使用義務を課す方針だが、原油価格が昨年7月のピーク時から70%も下落したことでバイオ燃料の相対価格が上昇したため、より迅速な対応が必要となった。
 現在インドネシアでは、パーム油が原料のバイオディーゼルは1Lあたり5,800ルピア(44.7円)*で、豊富な補助金によりアジアで最も安価な国産のディーゼル燃料よりも1,500ルピア(11.6円)高い。一方、キャッサバ等が原料のバイオエタノール価格は、石油燃料よりも安い。今回の補助金は、バイオ燃料価格が石油燃料価格を上回る場合に限り1L当たり平均1,000ルピア(7.7円)が燃料生産者に支払われる計画で、2009年には58万klのバイオディーゼルと19万4千klのバイオエタノールが出荷されると見積もられるため、政府は、7,745億ルピア(59.6億円)の補助金を支払うことになる。
 使用義務については、昨年11月に公布された政府令で、運輸部門において、パーム油原料ディーゼルを1%混合したディーゼルとバイオエタノールを1〜5%混合したガソリンが義務づけられることとなった。パーム油原料ディーゼルは、さらに2010年までに、その割合が2.5〜3.0%まで引き上げられる。

* 1,000ルピアは約7.7円(2009年2月19日時点)

Business Times (Malaysia) 2009年1月31日記事より抄訳
http://www.btimes.com.my/Current_News/BTIMES/articles/iof/Article/

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◆ 原油価格急落でエタノール工場操業に遅れ 〜 タイ 〜

 タイ政府は代替燃料開発を本格的に開始した5年前、日産総能力が1,000万Lに達する47の代替燃料生産ライセンスを燃料製造者に与えた。しかし、原油価格急落のためにこれらの半分以上が操業を開始できそうにない状況にある。原油価格が昨年7月のピーク時の1バレルあたり147米ドルから43米ドルにまで暴落したため、ガソホール(エタノール・ガソリン混合燃料)を使う魅力がすっかりなくなってしまったのだ。さらにパイプライン等のインフラ設備の不足のため、タイのエタノール物流コストはブラジル等のエタノール輸出国に比べて25〜30%も高い。加えて今年はベトナムも供給過剰による輸出が予想され、国際市場での競争相手も加わることになる。
 エネルギー開発効率局によると、稼働中の11の認可工場のエタノール日産総能力は120万Lで、93万Lの需要に対して30万Lの過剰生産となっている。日産40万Lの2工場の生産開始準備が整い、さらには日産30万Lの1工場も完成間近で、年末までには合計100万Lほどが過剰になりそうだ。エネルギーの主流である原油が無くなるまで、供給過剰をかかえて投資を継続するのは大きなリスクを伴うため、ライセンス保有者が将来のビジネス環境の厳しさを見越して、ライセンスを放棄する恐れもある。
 現在、ガソホール95*とプレミアムガソリンとの価格差は1L当たり13.3バーツ(35.2円)**、レギュラーガソリンとの差は5.5バーツ(14.6円)しかない。

* オクタン価95の石油・エタノール混合燃料で、石油90%・エタノール10%を混合したもの
**1バーツは約2.65円(2009年2月19日時点)

Bangkok Post (Thailand) 2009年2月2日記事より抄訳
http://www.bangkokpost.com/business/economics/10571

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◆ ネステオイルが欧州最大の再生可能軽油精製工場をロッテルダムに建設
  〜 オランダ 〜

 ネステオイル(Neste Oil)はオランダのロッテルダム港内に再生可能軽油精製工場を建設するための基礎置いた。完成すると、年間生産量80万トンの能力をもつ欧州最大の再生可能軽油精製工場になる。2008年の6月に発表されたこのプロジェクトは6億7千万ユーロ(約900億円)*の予算規模で、100種以上の仕事を生み出すことになる。
 ネステオイルのNExBTL軽油は植物油や動物性脂肪の水素化生成によって製造される。フィンランドにある工場では、原料としてパーム油、菜種油および食品産業からの廃油を使用している。燃料はパラフィン系炭化水素で構成されており、GTL軽油と似た性状をもつ。NExBTL軽油は軽油の品質規格に適合しており、一般的な軽油と混合することができる。
 年間80万トンの生産能力はEUの交通部門における再生燃料10%導入目標を達成するための大きなステップとなる。ネステオイルの固有技術であるNExBTLは世界で最もクリーンな軽油であり、CO2排出量の40〜80%の低減に貢献し、局所大気汚染の大幅改善を証明した中立機関の報告がある。
 ネステオイルは原料調達における持続可能性に傾注し、2015年の終わりまでに、あるいは十分な量が利用可能ならばそれ以前にパーム油のみを使用するとしている。ネステオイルの研究の大部分は新たな再生可能原料の開発に費やされている。
 パーム油のライフサイクルで見た温室効果は原料によって大きく変わると考えられる。温室効果ガスの大部分は、パーム油プランテーションによる熱帯雨林の開拓が原因であり、強力な温室効果ガスであるメタンがパーム油の生産工程で放出される。現在、パーム油を生産しながらメタンを捕集できる技術を開発中である。

* 1ユーロは134.35円 (2009年6月19日時点)

DieselNet News 2009年5月27日記事
およびMarketwire 2009年5月28日記事より抄訳
http://www.dieselnet.com/news/2009/05neste.php Business http://www.marketwire.com/press-release/Neste-Oil-Oyj-994527.html

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◆ 2020年までにパーム油の生産量を倍増 〜 インドネシア 〜

 インドネシアは2020年までに収穫量の増大やプランテーションの拡大によってパーム油の生産量を2倍の4,000万トン以上に拡大することを計画している。
 プランテーション用の土地を現状の790万ヘクタールから約1,000万ヘクタールに拡大する一方、パーム油の生産量を1ヘクタールあたり平均3.5トンから4.5トンに増やすとしている。
 環境団体は、インドネシアの森林が気候変動との闘いにおいて不可欠なカーボンの巣窟であり、生物の多様性の掛け替えのない源であるとして、パーム油プランテーションの拡大計画に反対した。このため、開発計画が1年間凍結されたが、2009年中に解除され、泥炭地域のプランテーションを開発することができるようになる。
 パーム油生産量世界一であるインドネシアは、2009年のパーム油生産量が1,900〜2,000万トンになると見込んでいる。パーム油はビスケットからスープ、化粧品、バイオ燃料まであらゆるものに使われている。
 インドネシアの経済担当調整副大臣は、パーム油生産量の大幅な増加は供給過多になる危険があるとしている。近年のパーム油価格の上昇は小規模農家に、コーヒーやゴムといった農作物の生産からパーム生産へと転換させた。需要と供給のバランスを保たなければならない。バイオディーゼル燃料のような産業は、パーム油生産の拡大に対し、安定した市場があることを保証するための後押しにならなければならない。
 また、インドネシアは2020年までにパーム油の40%をエネルギー生成に、30%を食料に、そして残りを化粧品等の他の目的に使用することを計画していると語った。

AFP (JAKARTA) 2009年5月28日記事より抄訳
http://sg.news.yahoo.com/afp/20090527/tbs-indonesia-commodities-palmoil-1be4cf7.html

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◆ ボルボ・ロジスティクスがRME混合軽油で運行

 ボルボ・ロジスティクスは、イエテボリのスカンディアハムネンで、菜種油メチルエステル(RME)を30%の割合で軽油に混合した「ディーゼルバイオ30」の使用を開始する。これは、Ikea、H&M、DHL、Preemおよびボルボ・ロジスティクスの協力により実現したもので、ボルボ・ロジスティクスはボルボグループおよびボルボカー社内の顧客たちから、工場までの輸送で発生するCO2を2010年までに20%低減するよう要求されている。バイオ燃料を使用はこの目標の達成に貢献するであろう。
 また、「バイキングレール」と呼ばれるトラックと鉄道の組み合わせでCO2を低減する別の協力事例がある。ハノーバーとイエテボリを結ぶ鉄道では、北行きで主に自動車メーカー向けの部品を輸送し、帰りは他の貨物を運搬する。鉄道ターミナルまでの行き帰りは、トラックが品物を運搬する。

出典:ボルボプレスリリース、2009年8月20日 http://www.volvo.com

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◆ 英国におけるバイオメタン/ディーゼルバス

 主にバイオメタンとのデュアル燃料で運転される改造バスが東アングリア大学(UEA)の主導によるプロジェクトで開発された。プロジェクトの協力者には、バスの運行会社のアングリアバス、製造者のオプテア社およびエンジン改造の専門家であるノッティンガムハードスタッフグループがいる。
 このプロジェクトで開発されたバスは、バイオメタンで走行する英国で初めてのバスである。このバスは大気汚染物質や温室効果ガスを約50%低減すると報告されている。オプテア・ソロのディーゼル中型バスをベース車両とし、メルセデスベンツ製のエンジンを時間ベースで60〜80%をバイオメタンで走行するように改造した。
プロジェクトリーダーのブルース・トフィールド博士によると、ディーゼルバスからデュアル燃料への改造費は、天然ガスバスの新車購入費よりずっと少ないとのことである。
 プロジェクトの基金の一部は、EUがスポンサーとなっている「欧州の都市にクリーンでより良い交通の構築を」という市民プログラムから拠出されている。処分場、食品および農業残さからできるバイオメタンを使用すれば、温室効果ガス、PMおよびNOxをおおよそ半分に減らすことができ、さらに、走行距離あたりの運行費も低減される。

出典:東アングリア大学プレスリリース、2009年9月9日 http://www.uea.ac.uk

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◆ メタンディーゼルエンジン

 ガスディーゼルエンジンに関する他の話題として、英国におけるバス設計、製造会社であるオプテア社(Optare plc)がある。オプテアはハードスタッフ(Hardstaff)グループと、新車及び従来の乗用車に使用可能なハードスタッフ OIGI(ガス噴射軽油着火)デュアル燃料システムの包括的な使用権に関する合意に達した。ハードスタッフデュアル燃料システムは、エンジンを軽油とメタンの混合燃料で運転することを可能にするものである。利点は、燃料経済性の改善、排出ガスの顕著な低下及び騒音レベルである。
 ノッティンガムにベースを多くハードスタッフグループは、英国メルセデスベンツをともに、そのエンジンを軽油と天然ガスの両方で運転できるように改造している。その結果、OIGIは製造者保証を無効にはしない。エンジン及びハードスタッフ製の付属部品は全保証を受けられる。このしくみは、すでに累積走行距離4,000万km走行している大型車に関してうまく働いている。オプテアは、ハードスタッフOIGIに対し改造費を25,000から30,000ポンド(340万円〜410万円)にするとしている。このシステムを使った最初のデュアル燃料のオプテア・ソロはすでに開発されている。OIGIシステムを使ったバスはバイオメタンを使えば、CO2排出量を従来のバスと比較して50%低減する。
出典:オプテア プレスリリース、2009年9月3日 http://www.optare.com

[ボルボトラック社]
 ボルボトラックは、メタンと軽油を併用した効率的なディーゼルエンジンを作った最初のメーカーである。2010年に英国とスウェーデンで路上試験をスタートさせた。メタンは、天然ガス及びバイオメタンとして利用可能なものである。
 2007年8月、ボルボトラックは異なるバイオ燃料を使用して走行する7台のデモ用の車両を製作した。結果を分析した後、現在2種類の燃料(DMEとメタン+軽油)に焦点を当てている。スパークプラグエンジンを使っているCNGトラックは、走行距離が150〜200kmと制限される。ボルボトラックは、メタンガスと軽油を使うデュアル燃料エンジンを使っている。そうすれば運行距離は50%以上増加する。液化メタン(LNG)ではその距離は二倍になる。これにより長距離走行が現実のものとなる。エネルギー消費は従来のガスだけの運行の場合より25%低下する。
 ボルボの技術は、EURO5ディーゼルエンジンをベースにガスで運転できるように改造したもので、液化メタン(LNG)あるいは圧縮メタン(CNG)のいずれかのタンクを装着した。軽油とは分離した燃料システムで、吸気マニフォルドにガス噴射弁を取り付けた。少量の軽油が噴射され、圧縮着火され、次々にメタンガスと空気の混合気に点火する。出力と運転性は、従来のディーゼルトラックと同等である。もし、ガスを使い果たしたら、トラックは軽油のみで走行することができる。
 運行中に必要とされる軽油の量は変動する。ボルボは、技術が洗練され、試験が重ねられれば、最大80%までのメタンで走行可能となることを期待している。2010年の路上走行試験では、メタン量70%で走行することで開始した。残りは化石燃料である軽油や再生可能原料から作られた軽油である。全燃料連鎖をカウントすると、もし、バイオガスや100%バイオディーゼルを用いれば、この新技術により従来のディーゼルに比べ長期間でCO2排出量を最大80%低減することが可能である。

ボルボトラックにおけるメタンと軽油で走行する自動車の路上走行試験
(Volvo Trucks Global提供)
出典:ボルボトラックス グローバルプレスリリース、2009年12月15日 http://www.volvo.com
[IEA・AMF編集者から]
 IEAの先進燃料実施協定では、ガス燃料重量車にも興味がありアネックス39では”重量車メタンエンジン燃料効率性と排出ガス性能”に関する事前調査を行っている。デュアル燃料技術の普及には一つの障害がある。ヨーロッパの排出ガス規制は二つの燃料を同時にかつ異なる混合比で運転するエンジンに対応した制度となっていない。これは業界が取り組まなければならない大きな課題である。

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